不用品回収予選

体重こそ少し軽いが、多彩な技を繰り出すオールラウンドな選手で
弱点というものがない。今回の優勝候補と言われていた。

我々の愚直な突撃が、どこまでこのワザ師に通用するかが
勝負の分かれ目と言っても過言ではなかった。

—-しかし。

「えっ!不用品回収って誰が?!」
「見たことないよ!」

ひと足先に決勝進出をかけた試合でのこと。
その先輩が、まさかの敗退をしてしまったのだ。

相手の選手は、大会参加者のほとんどが、初めて見る選手だった。
身長190センチ、体重110キロ。
まるでプロレスラーのようにでかい選手だった。

どうなってるのだ?あの先輩が負けるなんて!
驚きを隠せない我らが、さらに驚いたのは、その選手歴。
道場に入って、まだ1か月経っていない。
最近まで柔道の選手だったというのだ。
技については皆無に等しく、左右の剛腕で削岩機のように
重いパンチをひたすらぶち込んでくる選手だった。

くそっ。こうなったら彼を倒すしかない。
同じく決勝に勝ち上がった我が道場の選手。だが・・・・
信じられない馬力と、固定されたかのように動かない重い身体。
その桁違いな二刀流のパワーに、我が道場は敗れ去った。

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